アガサ・クリスティ「春にして君を離れ」は「他者性をはく奪する罪深さ」を書いた傑作だ。
ジョーン・スカダモアの改心は誰からも期待されていない
楽天ブックス: 春にして君を離れ
- 僕もよくこの女性と似たようなことをやってしまう。
この女性の、「作られた幸せ」を書いている。
いや元から通っていなかったが、砂漠から帰ってからは、本心が通いあうことが決してないことを自覚しつつ生きていく。
しかし、ああ、どうか、きみがそれに気づかずにすむように。
身の回りや体裁を気にするジョーンという存在にロドニーが疲れ切っていたことは、読者に示唆されている。
みずぼらしい、それに比べ私はまだ外見も保っている、社会的にも問題ない、 私は幸せで、家族は幸せだ。