しかし浅野先生はそんなファンにこそ、この思いを伝うべく「零落」をこのようなラストにしたのではないかと思います。
彼にとっては小学校の頃から心のどこかで思い続けてきた相手で、自分に似た価値観の中で生きているはずの女の子。
浅野 本当は愛子ちゃんが死んだ後も、愛子ちゃんのことをずーっと心の内に抱えながら孤独に生きていくことを願っていたんだけれど、結局さっちゃんに捕まえられて、なんとなくあやふやになってしまう。
深澤は、彼女の言葉が現実にならないように、そして 彼女が言った「あなたは漫画家が世界で一番偉いと思っている」という言葉を否定するように、「漫画家が嫌いだ」と主張し続けます。
深澤は自己嫌悪に浸っていた。